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寒地土木研究所の研究成果から冬期道路に特有の現象について解説します。冬道の運転にお役立て下さい。 |
空を背景に黒っぽい対象物(視角0.5〜5°)が、目視で視認できる最大の距離のことをいいます。 |
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空気中に浮遊物があると、それによって光が散乱・吸収・反射されて減衰するため、私たちの目に届く光の量が少なくなり、周りの景色が見えづらくなります。 降雪や吹雪によって雪が舞っている場合も同様に視界が悪くなりますが、霧のような小さな水滴とは異なり雪片は目に見えるほど大きいので、その視程障害も少し異なります。 |
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目の前を運動している雪は、私たちの目には残像のため点ではなく線状に見えます。そのため、同じ雪の降り方でも、その移動する速度が速いほど、肉眼で感じる視程は悪く感じます。吹雪による視程障害と雪の移動量の関係を調べると、雪の移動量(すなわち空気中の雪の濃度×風速)が多きいほど、視程が低下する傾向がはっきりしています。 |
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物が周囲と区別して識別できるためには、そのコントラストに差があることも重要です。周囲が白一色となる冬の道路では、道路と景色の区別がつけにくくなるため、実際の視程よりかなり悪く感じることがあります。時にはホワイトアウトと呼ばれるように、白い雪のほか何も見えない状態になることがあり注意が必要です。 |
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【参考資料】竹内政夫、吹雪時の視程に関する研究、1980.8、土木試験所報告第74号 |
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